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神戸須磨シーワールドホテル

KOBE SUMA SEAWORLD HOTEL

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DATA
用途 / ホテル
竣工日 / 2024.5
所在地 / 神戸市須磨区
延べ面積 / 8,100㎡
構造+階数 / RC+8

神戸市須磨海浜公園と須磨水族館の再整備に伴い、水族館のオフィシャルホテルとして新たに誕生した神戸須磨シーワールドホテルは、東西約900mのリニアな公園の東端に位置し、前方に瀬戸内海と淡路島の「海の景」が広がり、背景に六甲山系の「山の景」を背負う。

Park PFIを活用し、公園との一体整備を実現した本開発のコンセプト【パーク(地域、日常)とリゾート(観光、非日常)の共存と融合】を上位概念として、ホテルでは水族館のオフィシャルホテルとして「唯一無二の宿泊体験」を掲げて、建築とインテリアのトータルデザインを行った。

 

唯一無二の宿泊体験

 水族館との一体開発・一体運営のメリットを生かして、水族館から海水を供給して国内初となるドルフィンラグーン併設のホテルを実現。また、ゲストルームへも海水を送り、こちらも国内初の海水魚が泳ぐ大型水槽を併設したゲストルームを6室設けた。このようにして、他には類を見ない水生生物との触れ合いと学びがある唯一無二の宿泊体験を実現した。

 

非日常へと誘う建築計画

ロビーやレストランから瀬戸内海のオーシャンビューを望むため、公園から4m程高い2階部分を共用フロアに設定し、工事により発生する掘削残土を利用して建物周りに丘をつくることで、公園との距離感をつくり出し、ホテルにアクセスする宿泊者の高揚感を高めた。

客室は全室オーシャンビューの片廊下型を採用。平面形状を半円形とすることで、水族館との景観調和を図るとともに、全ての客室バルコニーからドルフィンラグーンが望める一体感ある空間を創出した。

 

ファサードデザイン

白砂青松の景観形成のため、白を基調色として水族館や駐車場との調和を図るとともに、ホテル単体においては「地上に舞い降りた客船」をテーマにデザインを行った。

アプローチとなる山側(北)のファサードは、階段やEVの垂直ボリュームをマスト(帆)として表現し、客室バルコニーが並ぶ海側(南)ファサードは遊覧船(客船)をモチーフとした。

 

インテリアデザイン

癒し・触れ合い・感動を体験する場所として、内部空間の随所に須磨の贅沢な時間を相乗させる仕掛けを盛り込んだ。

青・白・木を基調色として全体に統一感を与え、継ぎ目なくグラデーショナルに変化する海の景色に溶け込むよう、素材にグラデーションパターンを多く取り入れた。

エントランスロビーは「渦潮」をコンセプトとしてガラスアートや透明感のある素材を採用。天井にはLEDパネルを埋め込み、時間の経過とともに映像が変わる仕掛けを加えた。

客室は、スタンダードルームのほかに水槽やビューバスが併設されたスペシャリティルームを3タイプ設け、3室それぞれデザインテーマを変えることで豊かな宿泊体験の提供と再訪率の向上を図った。

家具やアートにおいては、開発に伴い発生した伐採松を積極的に再利用することで、黒松とともに育まれてきた須磨の歴史を敬い継承し、また、漂流物を題材にしたアートで著名な淀川テクニックを迎え、旧水族館の廃棄物や砂浜の漂流物を用いたアート「スマのおさかな」を屋外展示するなど、来訪者にとって楽しい発見や新しい学びがある仕掛けを敷地の随時に散りばめた。

 

Update / 2024.11.19

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